Part A-定義
A.1 – 協会(ASSOCIATION)
WCF(ワールドキャットフェデレーション)
A.2 – 成猫(ADULT CAT)
生後10ヶ月以上の猫。
A.3 – 子猫(3~6ヶ月)(KITTEN 3-6 MONTHS)
生後3ヶ月以上6ヶ月未満の猫。6ヶ月を1日でも超えると該当しない。
A.4 – 青年猫(6~10ヶ月)(JUNIOR 6-10 MONTHS)
生後6ヶ月以上10ヶ月未満の猫。10ヶ月を1日でも超えると該当しない。
A.5 – 去勢・避妊済の猫(NEUTER / ALTER)
去勢された雄猫または避妊された雌猫。
A.6 – ノービス(NOVICE)
血統書のない猫で、生後6ヶ月以上のもの。「エクセレント」以下の評価は得られるが、順位は付けられない。RIEXへの登録および血統書取得のためには、展示会で「エクセレント」を獲得し、かつ2名の審査員の署名が必要。
A.7 – ベテラン(VETERAN)
8歳以上の猫。
A.8 – WCF公認品種(BREED RECOGNIZED BY WCF)
WCFが繁殖および展示のために認めたすべての猫種。
A.9 – WCF受理品種(BREED ACCEPTED BY WCF)
WCC加盟団体にて公認されている猫種で、WCFが展示およびタイトル付与を許可しているもの。仮承認品種(プロヴィジョナルブリード)も含まれるが、タイトルの取得は不可。
A.10 – 登録猫(REGISTERED CAT)
WCF加盟クラブによって登録番号が付与された血統書を持つ猫。
A.11 – ショー(EXHIBITION / SHOW)
WCFライセンスマネージャーまたはショー委員会により許可された、伝統的審査およびWCFリングを含むWCFのショー。
- A.11.1 – 1日ショー(1-DAY-SHOW)
1日だけ開催されるWCFショー。1匹の猫は1人の審査員によって1回だけ審査され、1通の審査報告書が発行される。1日ショーは最大3日間連続で開催可能。 - A.11.2 – ダブルジャッジメント(DOUBLE JUDGEMENT)
1日で異なる2名の審査員による審査が可能で、それぞれ審査報告書が発行される。 - A.11.3 – ナショナルショー(NATIONAL SHOW)
WCFクラブが主催する認可ショー。CACおよびCAPのタイトルのみ付与可能。出陳猫はカタログに40匹以上登録されている必要がある。少なくとも1名の全猫種審査員が必要。1名のみでのリング審査や単品種ショーは不可。 - A.11.4 – インターナショナルショー(INTERNATIONAL SHOW)
WCFクラブが主催する認可ショーで、各クラスに応じた全てのタイトルが付与可能。 - A.11.5 – ワールドショー(WORLD SHOW)
国内で開催される特別なショー。通常は3クラブ、特別な場合は2クラブによって主催され、WCF理事会の承認が必要。タイトルのうちの1つは他国または他大陸で得たものと見なされる。ワールドショーは年1回、国ごとに1回のみ開催可能。
A.12 – ショーマネージャー(SHOW MANAGER)
主催クラブが任命したショー責任者。
A.13 – ショーカタログ(SHOW CATALOGUE)
主催クラブが作成する冊子で、初ページにショーライセンス、WCF理事や加盟クラブの連絡先が記載される。主な内容は、出陳猫の番号、生年月日、名前、両親、出陳者と所有者の名前、猫種、カラー、性別、ショークラスなど。
- A.13.1 – 出陳証明書(EXHIBITION CERTIFICATE)
ショー当日に審査報告書とは別に発行される証明書で、当日の評価や受賞歴が記載される。
A.14 – 出陳者(EXHIBITOR)
猫の所有者または代理人。
A.15 – スチュワード(STEWARD)
WCF認可ショーで働く係員で、猫を審査台へ運び、消毒し、審査員に提示し、Best in Showでも活動する。
A.16 – WCFリング(WCF-RING)
WCF展示会における審査方式の一つである。1名の審査員が最大10匹の上位猫を選び順位付けを行う。大人、子猫(3-6ヶ月)、ジュニア(6-10ヶ月)、去勢猫、バラエティの5つのリングがある。上位2名はマスターリングに進出可能(バラエティリング除く)。
- A.16.1 – WCFマスターリング
WCFリングの1位または2位受賞猫のみ参加可能。上位2匹に「マスター」タイトルが授与される。 - A.16.2 – ダブルマスターリング
「マスター」タイトルを持つ猫のみ参加可能。上位2匹に「ダブルマスター」タイトルが授与される。 - A.16.3 – トリプルマスターリング
「ダブルマスター」タイトルを持つ猫のみ参加可能。上位2匹に「トリプルマスター」タイトルが授与される。 - A.16.4 – ダイヤモンドマスターリング
世界で年1回開催(通常はオリンピアショー)。「トリプルマスター」タイトル保持猫のみ参加可能。4匹以上の出陳が必要。1位の猫にのみ「ダイヤモンドマスター」タイトルが授与される。
A.17 – リング(RING)
アメリカ式またはオーストラリア式のリング審査。1名の審査員がすべての猫を評価・順位付けする。ABリング(全猫種)やスペシャルティリング(主要カテゴリごと)もある。伝統的にこの形式が使われる国でのみ認可。
A.18 – 一般審査(TRADITIONAL JUDGING)
猫を審査台で1名の審査員が評価し、審査報告書を作成する方式。
A.19 – WCF審査員(WCF-JUDGE)
WCFの要件をすべて満たし、WCF審査員として登録・許可を受けた者。
- A.19.1 – WCF-AB審査員(全猫種)
- A.19.2 – WCF-LH審査員(長毛種)
- A.19.3 – WCF-SLH審査員(セミロング種)
- A.19.4 – WCF-SH審査員(短毛種)
- A.19.5 – WCF-SIA/ORI審査員(シャム・オリエンタル)
- A.19.6 – WCF-HL審査員(無毛種)
A.20 – WCF許可付きゲスト審査員(GUEST-JUDGE)
WCF非加盟の他団体に所属し、WCF審査員委員会から許可を得た審査員。WCF審査員と同様の審査基準を満たす必要がある。
A.21 – 非WCC審査員(NON-WCC-JUDGE)
WCCに所属せず、WCFの審査許可を持たない審査員。WCF展示会での審査は、審査委員会の確認後に限り可能。
A.22 – 審査報告書(JUDGE’S REPORT)
クラブが審査員に提供する用紙で、猫の評価内容、品種基準との比較、タイトル等が記載される。
A.23 – 見習い審査員(STUDENT JUDGE)
WCFクラブの会員で、予備試験に合格し、WCFの要件を満たしたうえで特定の毛種(LH, SLH, SH, SIA/ORI, HL)での実習を受ける者。
A.24 – 主なカテゴリ(MAIN CATEGORIES)
- 長毛・セミロング毛(Longhair and Semi-Longhair)
- 短毛・シャム・オリエンタル(Shorthair and SIA/ORI)
- 無毛種(Hairless)
A.25 – 毛種カテゴリ(HAIR CATEGORIES)
- LH:長毛
- SLH:セミロング毛
- SH:短毛
- SIA/ORI:シャム/オリエンタル
- HL:無毛
D.2 – テーブルジャジング
D.2.1 – 公開かつ匿名の審査
展覧会での審査は公開かつ匿名で行われる。ジャッジが知ることができるのは、カタログ番号、品種、毛色、生年月日、ショークラス、性別のみである。各ジャッジは、自分の審査理由をジャッジレポートに記載しなければならない。
D.2.2 – 公開ジャッジング
原則として審査は「公開ジャッジング」で行われる。すなわち、ジャッジは出席者に対して自らの審査結果を発表し、必要に応じてその理由を説明する義務がある。
D.2.3 – 規則とスタンダードに基づく審査
WCF展覧会での猫の審査は、WCFの公式スタンダードおよび規則に基づいて実施される。
D.2.4 – 審査は最終的なもの
WCF展覧会での審査結果は最終的であり、異議を唱えることはできない。出陳者とジャッジの間でジャッジの意見について議論することは許されない。
D.2.5 – ジャッジ1人あたりの頭数制限
テーブルジャジング審査で1人のジャッジが審査できる猫の頭数は、1日あたり最大40頭までに制限される。
ただし、WCFリングやスペシャルショーなどの追加審査分を含めた場合、1日あたり最大110頭まで認められる。この場合はジャッジとの相談が必要で、追加料金が発生する。
しかし、ベストインショー(Best in Show)を時間通りに始められるよう、過度に多くの猫を1人のジャッジに割り当てないことが推奨される。
D.2.6 – クラス順の審査
各毛色において、猫はWCFのショークラス順(上位クラスから下位クラス、またはその逆順)に従って審査される。クラブの要望があれば、カタログも同じ順序で印刷される。
D.2.7 – 各クラスでの順位付け
猫には、品種・毛色・クラス・性別ごとに1日1つのタイトルしか授与できない。
Excellent(優秀)または Very Good(とても良い)の場合、最大4位まで順位を付けることができる。Good(良い)の場合は順位を付けない。
D.2.8 – ジャッジプロトコル、ジャッジレポート、展覧会証明書
- D.2.8.1 – 一般ルール
主催クラブは、すべてのジャッジプロトコルとレポートが発行され、ジャッジに遅延なく渡されるよう責任を負う。ダブルジャッジメント(同じ猫を複数ジャッジが審査する場合)の猫は、ジャッジプロトコルに明記されなければならない。
ジャッジレポートには、WCFのロゴ、クラブ名とそのロゴ、開催都市と日付、必要に応じてダブルジャッジメントの注記が含まれる。レポートは主催クラブが作成し、カタログ番号、品種と毛色(WCF EMSコード含む)、ショークラス、性別、生年月日を記載する。ただし、ブリーダー名、オーナー名、猫名は記載してはならない。
- D.2.8.2 – 展覧会証明書(Exhibition certificate)
ジャッジレポートに加え、クラブは必ず展覧会証明書を発行し、必要に応じてリング証明書を当日猫のオーナーに渡さなければならない(結果が展覧会証明書に記載されている場合を除く)。
展覧会証明書には次の情報を含める必要がある:
- 「certificate」という単語
- WCFロゴ
- 展覧会の種類
- 主催クラブ名とロゴ
- 開催地・国・日付
- ジャッジレポートと同じ猫の情報
- オーナー名、獲得タイトル、ベスト・イン・バラエティ、特別賞、ノミネーション、BISやBest of Bestでの順位と日付
さらに、以下を含めてもよい:
- WCFリングへの参加や順位
- 公式スポンサーのロゴ(WCFロゴより大きくしてはならない)
- D.2.8.3 – WCFリング証明書(Ring certificate)
リング審査では、最大10位までの猫に個別のリング証明書を発行できる。入賞猫は特別に明記されなければならない。
また、展覧会証明書にリング結果が記載されていない場合、すべてのリング参加者に「参加証明書」を発行する必要がある。
証明書には次の情報が含まれる:
- 「certificate」または「certificate of participation」という単語
- WCFロゴ
- 展覧会の種類
- 主催クラブ名とロゴ
- 開催地・国・日付
- リングの種類、順位、リング参加猫数
- ジャッジレポートと同じ猫の情報
- オーナー名
D.6 – 毛のカテゴリー
伝統的審査では以下の5つに分類:
- 長毛種(Longhair)
- セミロングヘア種(Semi-Longhair)
- 短毛種(Shorthair, シャム系を除く)
- シャム/オリエンタル系(Siamese/ORI、タイ、バリニーズ、トイボブ等を含む)
- 無毛種(Hairless)
D.7 – ショークラス
猫は品種・毛色・性別・年齢により25クラスに分かれる。例:
- クラス1: ワールドチャンピオン (WCH)
- クラス11: チャンピオン (CH) – CACIB取得
- クラス13: オープンクラス(10か月以上、CH取得を目指す)
- クラス15: ジュニア(6–10か月)
- クラス16: キツンクラス(3–6か月)
- クラス19: 家猫(Household Pets、去勢・避妊済み)
- クラス25: 競技外出陳
D.9 – ベスト・バラエティ(BIV)
- 同一品種・毛色で3頭以上いる場合に授与。
- 非去勢猫、去勢猫でそれぞれBIVが設定される。
- 95点以上必要。
D.10 – ベスト・イン・ショー(BIS)
- 毛のカテゴリーごとに実施(最低10頭必要)。
- 95点以上でノミネート可能。
- 各クラス(成猫オス、成猫メス、去勢猫、ジュニア、キトン、ベテラン、家猫など)から代表が選出。
- ステージ上で公開投票(必要に応じ秘密投票)。
D.11 – ベスト・オブ・ベスト(BoB)
- 各毛カテゴリーのBIS受賞猫から選出。
- オールブリードジャッジのみ投票可能。
- 秘密投票で順位をつけ、BoB1・BoB2…を決定。
D.12 – ベスト・ジェネラル/ベスト・スプリーム
- ベスト・ジェネラル:その日のBoB勝者同士で投票。
- ベスト・スプリーム:全日程のベスト・ジェネラル勝者同士で決定